憲法

概要

憲法という物の存在は学校の授業などで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。具体的に憲法というのが何かというと、国そのものの組織であったり、統治をする基本的な原理や原則を定めた、根本的な法のことです。

近代における立憲主義においては、憲法の本質は基本的人権の保障にあります。つまり国家権力に制限や枠組みを設けることで、無秩序な権利侵害が生じないようにするためのものとなっています。

憲法の概念

憲法の「事実状態」と「法概念」とはなにか?

憲法と言う言葉には、実は「国家体制を指す場合(事実的意味)」と、「国家の基本法や根本法を指す場合(法的意味)」という2つの意味があります。

一般的には憲法という言葉は後者の法規範としての意味で使われるのがメジャーです。前者の国家体制を指す場合には、「国制」や「政治体制」という別の言葉が用いられたりします。

こうした憲法の概念を整理したものについては、カール・シュミット氏による「憲法学」があります。

この憲法学においては、憲法を

  • 絶対的な意味
  • 相対的な意味
  • 実定的な意味

に区別しています。それぞれ順番に意味を探ってみましょう。

絶対的な意味とは

絶対的意味も細かく分類することができます。

  • 公共体の秩序そのもの
  • 国家の政治体制
  • 国家の統合のあり方
  • 根本的な規範

上記のような内容に区別できます。このあたりは、戦後の憲法学の成り行きなども関わってくる部分です。憲法を制定する権力である「憲法制定権力」などについてはかなり複雑なものとなっています。憲法を作った権力によって作られた権力は、その憲法に抗うことはできない、といったような考えがあります。

憲法の名称

語源

「憲法」という名称は一体どこから来たものなのでしょうか。概念としては欧米から来たものであり、ドイツ語や英語、フランス語から和訳して作り出されたものが「憲法」という言葉であると考えられています。

中国語の「憲法」が、中国で最初に使われ始めたのは、紀元前770年から紀元前476年くらいだと言われています。

ちなみに日本にはもともとこうした憲法に相当するような外見がありませんでした。そのため日本で憲法という言葉が使われ始めたのは、明治時代にフランス語で憲法を表す言葉に「憲法」という単語を充てたのが始まりであると言われています。

最初の頃は、国法、国制、国体、朝綱などの様々な訳語が使用されていました。しかし時代を経るにつれて、「憲法」という言い方が定着したのです。

国の統治をしたりする基本原理や原則などを定めた根本的な規範としての「憲法」というのは、国家が国家として存在するのであれば何らかの形で存在しています。それが「憲法」と呼ばれていてもいなくても、基本的にはそういったものが存在するのです。昔の日本も例外ではなく、飛鳥時代には「憲法」という単語は存在しなかったものの「大宝律令」と呼ばれたものが存在していました。

憲法の種類

憲法といっても様々な分類をすることができます。

憲法がどういった形で存在するのか?とった点

憲法が憲法典という形で制定されているものを「成文憲法」と言います。条文の数はだいたい140条くらいが平均だそうです。条文数が多いのは406条もあるユーゴスラビアや、395条もあるインドなどが挙げられます。少ないものとしては37条だけしかないインドネシアが挙げられます。歴史上で最も少ないのは昔のフランスで1条しかない時があったそうです。

改正手続による分類

硬性憲法

憲法改正手続に通常の法改正よりも厳格な手続を必要とする憲法のことを言います。日本国憲法、ドイツ連邦共和国基本法がこれに当たります。日本でも憲法改正には国民の投票が必要であるとか言われてたりします。一般的な法改正ではそこまですることはありませんから、憲法の改正はそれだけハードルが高く設定されていると言って良いでしょう。

軟性憲法

上記の硬性憲法とは異なり、憲法の改正が通常の法改正と同じような手続でできる憲法のことを指します。

シャーリア憲法について

イスラム教国の一部ではイスラム教の教典「クルアーン」を憲法としています。
例えばサウジアラビアでは現代でも、統治基本法第1条と呼ばれるもので、「憲法はクルアーンおよびスンナとする」と明記されています。つまりイスラム教の教典がそのまま憲法となっている国なのです。ですから、憲法を改正しようとしても絶対にできないというわけです。

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